【書評】ESG投資 新しい資本主義のかたち

投資においては企業活動において利益をを生み出すことで、その恩恵を受けることを目的とされていますが、近年では単純に企業が利益を生み出すだけではなく、事業活動を取り巻く環境や社会に対しても配慮した企業活動が求められています。今回は日本経済新聞社の「ESG投資 新しい資本主義のかたち」を読んでみましたので紹介します。

企業活動を取り巻く社会貢献活動にも注目が集まる

企業ではCSR(corporate social responsibility)方針を策定するなど、単純に企業が事業活動において利益を追求するだけではなく、その活動における社会への影響についても責任を持つことで、直接利益にはつながらないが社会貢献活動を通じて事業活動を持続可能にする取り組みが広がっていますが、その活動を含め、企業の社会貢献についても投資家の注目が集まっています。

ESG投資では、E(環境)、S(社会)、G(企業統治)を通じて社会的存在としての企業の価値を探り投資先を選別する動きです。単純に利益を追求するだけではなく、事業活動を取り巻く環境や社会への貢献、企業投資におけるガバナンス体制の強化している企業に投資を行うことで、企業活動を通じた利益を受益するだけではなく、社会全体の繁栄に対しても貢献する考え方です。

単純な利益追求だけでは企業活動は難しくなる

資本主義社会においては、経済活動において利益追求を行うことが第一の目的とされていますが、近年では利益追求ばかりに目を向けた結果、環境や社会への悪影響を及ぼす事例も増えてきたことから、経済活動を行う上での根本的な基礎が危うくなっているのも事実です。

例えば、日本においても高度経済成長時代において工場を建設して生産性を上げることで利益追求を行いましたが、その結果、有害物質や二酸化炭素を排出したことで、地球環境の悪化や病気の悪化といった問題が発生しました。

また、労働問題についても同様で、利益追求をするあまり、労働者へ低賃金で働かせることや労働時間が長いことで、労働者の生活苦や病気の発生などにつながることが考えられます。

他にも事例はいろいろありますが、このように単純に企業活動を通じて利益追求を行うだけでは、その活動を取り巻く環境や社会が持続することは困難となり、短期的には利益追求が可能になるが、長期的な目線で考え得ると企業活動を通じた利益追求も難しくなります。

投資で社会貢献活動を行うための考え方がわかる

近年では、スーパーマーケットやコンビニエンスストアのプラスチックバッグやプラスチック容器が海洋生物への影響が取り上げられていますが、企業だけではなく消費者においても地球が持続できるような活動が求めれていますが、投資においても同様の活動を行い、社会貢献をしていくことが重要となります。

本書では、利益追求からそれを取り巻く環境や社会への取り組み、企業統治の施行など新たな資本主義の形を提唱しており、これから投資を行う上で、企業の表面的な事業活動や財務状況だけではなく、企業活動を通じてそれを取り巻く環境や社会、企業統治のあり方など投資先の企業の新たな見方を解説しています。

ESG投資 新しい資本主義のかたち
日本経済新聞出版社
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