シェアハウス問題と不動産店爆発事故にみる日本の不動産業界の問題点

今年は不動産業界を巡る様々な問題が浮き彫りとなった年でもありました。特に、シェアハウス問題において不正融資が横行していたことで、債務返済が厳しくなる方が続出しました。また、12月には不動産仲介業者の店舗がスプレー缶の処理を誤ったことで建物が爆発して店舗を消失する事故も発生しています。

一見すると、この2つの問題には関連性は見受けられないと思われますが、この2つの事件や事故は不動産業界のコンプライアンス体制の問題を浮き彫りにする出来事であると考えています。

シェアハウス問題と不動産店爆発事故の共通点

シェアハウス問題と不動産店爆発事故についての詳細は、各報道におまかせしここでは細かい内容の記載は割愛しますが、今回この2つの事故にはコンプライアンス体制における共通点があると考えています。

シェアハウス問題は、融資者の年収を偽り融資を受けていたが、シェアハウスの入居者低迷で債務不履行が続出したことで、シェアハウス業者が倒産した上に、不正融資に加担していた銀行側の問題も指摘されました。

不動産店爆発事故については、入居者の要望に応じて物件室内を消臭するスプレー缶を破棄しようと室内で大量のスプレー缶の穴を開けて処分した後に給湯器をつけたところ爆発が発生しました。

まずシェアハウス問題については、事業者と銀行の収益確保が第一優先となってしまったため、不正に融資を行ってでも顧客からお金を取ろうとした点です。一方で、不動産店爆発事故については、スプレー缶が大量に余っていることが問題視されており、顧客の要望が合ったにもかかわらず消臭作業を実施していないことが疑われています。つまり、顧客から消臭委託作業費を受け取っているにもかかららず、顧客が見ていないことを良いことに代金だけを徴収していたことが考えられます。

ここで共通していることは、コンプライアンスと顧客側の利益を犠牲にしてでも、利益確保に走っている点です。

日本の不動産業界の透明性は先進国の中でも低い

https://www.joneslanglasalle.co.jp/ja

不動産業界においてコンプライアンス意識が低いことを客観的に示すデータとしては、世界総合不動産サービス大手の「JLL(ジョーンズ ラング ラサール株式会社)」と、「ラサールインベストメント・マネジメント」が抽出しているデータである「2018年度版グローバル不動産透明度インデックス」において、透明度レベルにおいて1位は英国、2位はオーストラリア、3位は米国と不動産市場において透明度が高いとされており、日本は14位となり先進国の中で低いランクとなっています。

利益至上主義的な不動産業者にありがちな例としては、不動産店舗において、契約をやたらと急がせられること、公道に物件広告を掲示している店舗が見られる、不動産サイトで他サイトの画像を転用してるなどはよくありがちなことです。

また、私の経験としては、自宅に不動産投資の勧誘の訪問や電話があり、断ってもしつこい業者もあったのも事実です。特に一昨年はマイナス金利の影響で訪問業者が増加傾向にあり、断っても帰らない業者があり困った経験があります。その後は、加入しているホームセキュリティに監視カメラを玄関に追加で設置、インターフォンを録音録画機能付きのものに交換したことで、不動産を含め訪問営業が減ってきました。(もともと不動産に限らず訪問営業が多いことも設置の理由ではありますが)

不動産は成約しないと収益にならないので強引になりやすい

このように、不動産業界がコンプライアンスを無視してでも、強引に営業をやりたがる理由としては、不動産は扱っているものが大きく、じっくりと検討する対象の商品であるため、店舗で商品を売るのと比べ成約率が低く、収益確保が難しいことにあります。

そのため、成約率が低く事業環境が思わしくない業者ほど、強引な営業に走りがちである傾向にあります。逆に、コンプライアンスを遵守し、顧客視点にたった営業を行っている業者は、顧客満足度が高まることで口コミで広がるなどで事業も繁栄しているように見受けられます。

コンプライアンス体制の見直しと不動産業界の法的整備や顧客保護体制の構築不可欠

不動産業界は契約が成立しなければ収益にならない他、扱っているものが大きいため、顧客側も選定を慎重に選ぶため、成約率が低くなってしまうことが、利益至上主義に走りやすい要因であることをお伝えしましたが、今回の問題を機に不動産各社は自社のコンプライアンス体制を徹底的に見直すべきであると考えます。

また、何かと不透明感が高い不動産業界については、法的整備の見直しや顧客保護体制の構築を図るなど、単純に利益だけを追求している業者を一層し、顧客視点にたった不動産業者を残すといった根本的な対策も必要不可欠かもしれません。

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