【書評】カルロス・ゴーンの経営論 グローバル リーダーシップ講座

日産自動車を立て直したカルロス・ゴーン氏のマネジメントに関する講義内容をまとた「カルロス・ゴーンの経営論 グローバル リーダーシップ講座」を紹介します。昨年購入して読了した本ですが、例の事件をきっかけに再度読み直してみましたので、この機会に紹介します。

講義における内容を質問形式で記載

日産自動車の元会長として活躍されたカルロス・ゴーン氏のこれまでのマネジメントに関する実務経験に基づいて、リーダーになる方に向けた講座内容を質問形式で記載した本です。

講座は、日産財団と早稲田大学が中心となった社会人向け特別プログラム「逆風下のリーダーシップ養成講座」という名称で、大企業のみならず中堅企業において、幹部候補に向けて開催されたものです。

カルロス・ゴーン氏は、経営危機に陥った日産自動車を立て直した人物として、近年世界的に知名度が高い経営者となり、日経新聞の「私の履歴書」にも登場するなど、世界中の経営者や投資家から尊敬されています。

日本人がグローバルリーダーになるためのアドバイス

本書ではグローバルリーダーというキーワードが何度も登場しますが、あらゆる国々を行き来して活躍された経験から、あまり海外経験が乏しい日本人が世界を相手に事業展開ができるグローバルリーダーになるためのコツやアドバイスが記載されています。

日本の企業においては、多くの企業で国内市場の縮小などで世界展開を余儀なくされている中、現状として世界的な経験の不足から足踏みしている企業も多いのが現状です。

すでに海外展開を進めている企業の他、これから海外市場で事業を展開していきたいと考えている経営者にもぜひ読んでいただきたい内容となっています。

多様性(ダイバーシティ)を活かす経営のアドバイス

もう一つ、カルロス・ゴーン氏は世界中で活躍された経営者でありますが、多くの国の文化や人々と接する中、日本企業が課題として抱えている多様性(ダイバーシティ)に関する内容も記載されています。

これまでの日本企業は日本人が中心となって皆が同じ価値観や考えで事業を行っていましたが、前述したとおり、経済のグローバル化が進展している中で、多様な価値観や考えを受け入れることが重要となっていますが、経営者層には多様な価値観をマネジメントする力も求められています。

多様性(ダイバーシティ)は決して、女性だけが活躍する会社だけではなく、国籍や性別の有無、障害の有無を問わず、多くの方が自身で保有している能力を生かし、それを最大限に活用して大きな力とし事業の成長を高めていくものです。

難しい用語がなく誰でも読みやすい本

本書は経営の本になりますが、経営に関する本は何かと難しい印象を抱いてしまいますが、決して難しい用語で内容が記載されているわけではなく、これまで経営の知識や経験がなくても誰でも読みやすい本です。

会社経営者を目指されている方、すでにご自身で会社を経営されている方はもちろん、あらゆる組織や団体で人をまとめるリーダーとして活躍されている方にとって、より良いリーダーになるためのノウハウがまとめれている一冊となっています。

事件について

最後に、カルロス・ゴーン氏が2018年11月に逮捕された件について、私自身からの詳細なコメントは差し控えますが、同氏がこれまで日産自動車を立て直したという実績や、日本の自動車業界にあった系列といった旧態依然とした事業モデルにメスを入れたことで、日本の国際競争力を高めるきっかけづくりを行った人物として尊敬しています。

事件が今後どういった方向に進むかはわかりませんが、カルロス・ゴーン氏の行為に問題があった場合には、その償いをしっかりと行い、再度異なる分野での活躍に期待したいと考えています。

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