【書評】明日を生きるための教養が身につく「 ハーバードのファイナンスの授業」

「金融」という単語を聞くと、何かと難しいもの、あまり携わりたくないといった否定的な考えを持つ人が多いのが現状です。特に、日本人は学校教育で金融に関する知識を取得する機会に乏しいこともあり、未だに預貯金を貯め込むという非効率な運用が当たり前となっています。

ただ、金融は投資家や金融機関で働いている人の物ではなく、我々一人一人の人生に深く根付いており、金融と人生を結びつけて開設することで充実した人生を送るためのヒントを与えてくれる書籍です。

明日を生きるための教養が身につく「 ハーバードのファイナンスの授業」

金融の考え方は人生そのものである

金融と我々の人生や日常生活には何らか関係ないものであると考えている人が多いのが事実ですが、金融におけるすべての考え方は人生そのものの生き方にも深く結びついているものであると本書は指摘しています。

例えば、結婚相手を選ぶことや職業を選ぶことも同様です。また、それらを実現するために、どういった手順を踏んでいくのか、その過程で潜んでいるリスクを理解してそれを防ぐもしくは低減すること、それを実現するためにより手っ取り早い方法を活用することも金融界に取り入れられてることと同様のことであります。

金融の仕組みを理解することで、それらと人生を照らし合わせることで、我々人生においても決断する場面を客観的に考えることで、ご自身が向かいたい方向に適切に導くためのヒントが得られます。

生きる目的を理解し適切に運用してリターンを生み出す

株式投資を行う上で、投資家は単純に企業にお金を出資し、その過程を見守るということが主な仕事になります。そこで生み出された価値をリターンとして受け取るというのが資本主義の仕組みであります。

ただ、この仕組みの欠陥としては、投資家から預かったお金を企業経営者が適切に使われているのかなど知るよしも無いことである。日本でも近年聞かれるようになった企業統治(コーポレート・ガバナンス)の問題に通じることでもありますが、本書ではプリンシパル・エージェント問題(主役と請負人のもつれ合い)であると指摘しています。

例えば、企業経営者は主役であるプリンシパルでありますが、その上には投資家がおりエージェントとしての役目も果たす必要があります。これは個人も同様で、個人も何かしらの目的を持って生まれてきており、それを適切に実現するために運用を行う必要があります。その運用者は個人一人一人がプリンシパルでありますが、それを委任した神様のエージェントとして勤めていく必要があるということです。

私も過去親戚の葬式に出席したときに、お坊さんが人間は何かを一人一人は異なる目的を実現するために生きていると説教をされていました。

金融では資産を効率よく増やしていくために「運用する」と言いますが、我々も生きる上でご自身が実現したい目的を目指して運用するためにも、そのヒントが得られる内容となっています。

この人と結婚すべきか迷ったときのヒントも記載

この本は女性の方にもぜひ読んでいただきたい本であると考えています。女性の多くは(男性も同様ですが)幸せな結婚を望んている方も多いかと思いますが、結婚すべきかといった判断は大変むずかしい判断であると考えています。

企業にも同様のことがあります。例えば、企業同士が合併するというニュースはよく耳にしますが、これは企業同士が結婚すると置き換えることができます。ただし、合併をしなくても選択肢としては、単純な契約であったり、業務提携などあらゆる方法があります。

例えば、人生に置き換えた場合、男性であれば、毎日おいしい料理を作ってくれる人がほしいと考えた場合、そういう女性と結婚することが一番に思い浮かびますが、その他にも、飲食店やスーパーマーケットで毎日出来合いのものを買ってくる、家事代行や家政婦と契約して作ってもらうといった方法があります。

結婚や契約を含め、これらの多くの選択肢の中でどれが適切であるかといった判断は、本書を読むことでスッキリと理解でき、ご自身に問うことで答えが導き出されるものと考えています。

適切なレバレッジの活用方法や企業倒産からの失敗を参考に人生立て直しのヒントも

金融業界では資金を借り入れて事業を行うこと、投資を行うことを「レバレッジ」と呼ばれことが一般的ですが、ご存知の通り、レバレッジをかけることで得られるリターンは大きくなる半面、その分リスクも大きくなります。

人生においても、住宅ローンに代表するように資金を借りてご自身の夢を早期に実現する手段がある他、それぞれの役割を併用することは多くあります。人生においても、適切なレバレッジを活用することで、豊かな人生を送るヒントが記載されています。

また、普段のニュースを見ていると企業倒産したことのニュースは景気の善し悪しに関わらずよく聞かれるニュースです。ただ、企業倒産からの失敗については、それらの事例やどのように立て直していったかを研究することで我々人生を生きる中でも重要なヒントが得られると指摘しています。

本書では、金融の本ではありますが、金融と人生を紐づけた書籍という意味では、金融と人生は切っても切り離せない関係であり、金融を理解することで、ご自身の人生においてもより良い人生をサポートしてくれる書籍であります。

お近くの書店で見かけた際はぜひ手にとってご覧頂いてみてはいかがでしょうか?

明日を生きるための教養が身につく ハーバードのファイナンスの授業
ダイヤモンド社
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