問い合わせ対応が早い企業は株価が上昇しやすい

筆者はこれまで投資活動を通じて多くの企業を見てきましたが、問い合わせ対応が迅速な企業は長期的に株価が上昇しやすいという傾向が見えてきています。もちろん、これだけで株価が上昇する要因では無いことは承知していますが、わずかな商機も逃さずに収益獲得に結び付けられる結果であると考えています。

ステークホルダーとの対話は重要

企業には必ず、株主や顧客、従業員といった多くのステークホルダーを抱えています。企業は単純に多くの従業員を集めて企業活動を行うだけでは成り立たず、企業活動で出来上がった何かしらの成果を顧客に買ってもらうことで収益が得られます。また、顧客に届けるまでの成果が完成するまでに資金が必要ですが、その資金は株主から市場で調達する、銀行から借り入れを行う必要があります。

そのため、企業はあらかじめ自社の目標と成果、進捗など、対話機会を設け、あらゆる活動についてステークホルダーに対して定期的に報告することが求められます。対話を行うことで、自社の方向性をステークホルダーと共有することで、共通の目標に向かって支援や協力が得られやすくなります。

業績が良い企業はステークホルダーへの対応が迅速

私がこれまで投資してきた中で、業績向上を常に維持し株価を上昇させている企業の共通点としてステークホルダーとの対話を積極的に行い、その対応が迅速であるという共通点を見出しています。これは投資家の立場だけではなく、顧客としての立場など、ステークホルダーのあらゆる立場にいても同様です。

私はこれまで会社員として自動車向けの電子部品を開発する技術職として働いてきましたが、製品を開発するとき、電子部品を部品メーカーや商社を通じて購入する必要がありますが、こちらから連絡してすぐに返答し部品を手配してくれる企業と担当者になかなかつながらず部品の手配に時間を要する企業と2パターンに別れます。

前者は業績が長期的に伸びており、株価も連動して上昇している傾向がありました。一方で、後者は業績がいまいちであり、株価も不安定もしくは右肩下がりという傾向にあります。問い合わせに対して対応が迅速であることは商機を逃すことなく、結果的に収益につなげていることであると言えそうです。

例えば、これまで付き合ってきた企業である村田製作所(6981)もその一つで、近年では貿易摩擦の影響などマクロ的な要因があったものの、2019年3月期の決算における売上高は1兆5750億円と過去最高を更新した他、営業利益率も16.9%と利益もしっかりと確保しています。

また、株価を見ても、近年ではマクロ要因で乱高下がやや激しい状況ではありますが、過去10年間で概ね4倍まで上昇しています。

※投資銘柄の推奨ではありません。また、ここに記載した内容は個人の意見であり特定の企業や団体を代表するものではありません。

ステークホルダーへの対応が遅い企業は投資対象から除外

顧客としてだけではなく、私は投資家としても多くの企業との対話に努めています。近年ではコーポレート・ガバナンス(企業統治)の一貫で、株式の持ち合いを減らし、外部からの安定的な株主を確保する必要性が高まっており、企業もIR活動を通じて積極的に対話を行う姿勢を見せている企業も増えている印象があります。

私は「物言う株主」ではありませんので、対話を通じて経営圧力を強めてリターンを得る投資手法ではなく、あくまでも企業活動を通じて業績が向上することを前提にそこから生み出す収益に着目した投資を行っています。そのため、企業活動の進捗などを定期的に伺い、その内容から投資の継続可否を行っています。

ただし、残念ながら投資先の企業の中でも対応が遅いもしくは対話を否む企業もあるのも事実です。先日とある投資先の企業に対して、株主総会の開催前に議案に関する内容や株主還元の方向性について質問を行ったのですが、全く返答が得られない状況が続いています。(株主総会当日別の予定にて参加できないため事前質問した)

その企業は中小の上場企業であるため、IR担当者が他の業務を兼任している、問い合わせ対応者定まっていないなどの要因が考えられますが、いずれにしても返答が得られないのは対話をするつもりがないものとして受け止めざる得ない状況にあります。

正直、なんど催促しても返答が得られないため若干腹立たしく思っている側面がありますが、対象の企業は内部留保が多く、配当据え置き、株価も伸び悩んでおり内心不満が募っているのも事実です。

株主に対してだけではなく、顧客に対してでも、対応が遅いのは自ら商機を逃してしまうことに繋がる他、ステークホルダーに対して不安感が募ってしまうことにつながり、支援者も減ってしまうことになります。結果として業績低迷や株価の下落などにつながる予兆の現れであると捉えており、投資対象から除外していきたいと考えています。

お問い合わせ

当方では、金融機関様、金融メディアを運営者様向けにこれまでの投資経験やノウハウ、経済関連に関するコラムの執筆の協力、メディアへのインタービュー協力も行っております。執筆やインタービューのご要望につきましては、以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

お問い合わせはこちら

 

関連記事

【書評】敗者のゲーム 〈原著第6版〉

SBIホールディングス株式会社第21期定時株主総会に出席

【書評】挑戦と進化の経営 SBIグループ創業二〇年の軌跡 北尾 吉孝 (著)

CEATEC JAPAN 2018に行ってきました!

シェアハウス問題と不動産店爆発事故にみる日本の不動産業界の問題点

小田急新型特急ロマンスカーGSE70000形に乗車してみました!