【書評】日経新聞夕刊連載小説「ワンダーランド急行」

日本経済新聞(日経新聞)の夕刊に記載あれている連載小説「ワンダーランド急行」を毎回楽しみして読んでいます。私は普段日経新聞の朝刊と夕刊を紙面で読んでおり、日経新聞朝刊の連載小説として記載されていた「愉楽にて」と「つみびと」以来、話の内容が楽しく継続して読んでいますので、当サイトで紹介します。

ワンダーランド急行のあらすじ

ワンダーランド急行は日経新聞夕刊の連載小説で、荻原浩氏によって書かれた作品です。

話の内容は、会社員である野崎が仕事に向かう通勤時間中、普段何気なく利用している駅において都心方面の電車の到着に遅れが生じたことで、早く到着した反対方面の列車になんとなく乗り込んだことから話が始まります。

都心方面の電車到着まで休憩がてら座っていたのが、反対方向の電車が先に発車してしまい終着駅まで乗車することになります。結局はそこから仕事を休んで駅から見えた小高い山に登り、頂上付近にあった岩の洞窟をくぐり抜ぬけ、一休みするつもりがいつの間にか眠ってしまい目が覚めると夕方近くに。日が暮れる前に下山したものの、そこからいつのも日常がいつもと異なるものであると気づき、いつの間にか別の世界を彷徨うことになったのです。

自分がもう一つの世界にいることに気づく

その後は、無事に帰宅し翌日には通常通り出勤するのですが、本当の世界では新型コロナウイルス感染症拡大でみんなマスクを装着しているが、行き着いた別の世界では新型コロナウイルス感染症の拡大はなくマスクを装着している人は一人もいないことや、普段利用している駅前の風景が微妙に異なっていることに違和感を感じます。

手持ちのスマートフォンが繋がらないことや会社に出社したが、いつの間にか自社ビルになっているなど、明らかに本当の世界とは異なっていたことから、次第に自分は別の世界にいることに気づきます。

その後、2020年に東京オリンピックが無事に開催されたことを知り、コロナもなく日本経済は好景気であるということ、自分自身は本当の世界とは真逆で優秀な社員で上司から称賛されているという事実にも気づき始め、行き着いた別の世界は自分が理想?としている世界にいることに喜びも感じるようになります。

しかしながら、別の世界では別の世界で別の社会問題が生じていることにも気づいていきます。別の世界でマスクを装着するということは、別の世界ではタブーであるという風潮がある理由も次第に明らかになってきます。

人生の岐路に立った時を振り返り別の道に進んだ場合のことをふと考えてしまう

通勤電車に乗車する際に逆方向にいってしまいたいと考えたことがある方にとっては、その思いを楽しく描いた作品でありますが、この小説を読んで考えたのは、人生の岐路に立たされた時、あの時もう一方の道に進んでいたら、今頃どのような生活をしていただろうと考えさせられることがあります。

人生は大なり小なり選択することだらけではありますが、それぞれ別の選択をした場合も別の世界に行くことと同じことであると考えることができます。

また、主人公である野崎が仮に私自身であった場合、別の世界に彷徨った場合、どのような行動を取るのか、もしくはこのような状況に万が一なった場合、どうすべきかをなんとなく考えてしまいます。

しかしながら、結局のところ、人生の岐路で違う道を選んでいた場合でもそれなりに生きていき、その中で別の問題とぶつかってそれらと向き合って生きていくことになるのかと思うこともあります。

別の世界に迷い込んだ野崎は元の世界へ戻れるのか?

別の世界に迷い込んだ野崎ですが、別の世界を楽しみつつも、本人は元の世界へ戻れるのかも今後もまだまだ話の展開は広がっていきそうな予感です。今後の話の続きは、日経新聞夕刊で楽しめます。また、有料会員になれば電子版でも見ることができます。