小田急電鉄のロマンスカーミュージアムを訪問

2021年4月に開館した小田急電鉄の特急電車(ロマンスカー)を展示するロマンスカーミュージアムを訪問しました。小田急は箱根や江ノ島といった主要観光地に乗り入れており通勤電車以外にも観光路線としての機能を果たしていることから、有料特急サービスに力を入れてきました。特に展望席は人気が高く子供達には好評となっています。
ロマンスカーミュージアムの概要

ロマンスカーミュージアムは、新宿と小田原を結ぶ小田原線を主力路線に東京都と神奈川県で3路線を運営している小田急電鉄が、2021年4月19日に会館したロマンスカー展示施設です。
ロマンスカーミュージアムは神奈川県の中部に位置する海老名市に開館しました。小田急海老名駅に直結しており、鉄道で気軽来館できる他、雨の日でも濡れずに訪れることができます。
ロマンスカーミュージアムは現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から来館予約制を採用しており、公式サイトより来館予約をした上で訪れる必要があります。なお、予約時には入館料の支払いは不要ですので、当日の予定変更も柔軟に可能です。
入館料は以下の通りです。支払いは現金の他、クレジットカード、交通系ICカードが利用可能です。
一般 | 団体(20名様以上) | |
---|---|---|
大人(中学生以上) | 900円 | 800円 |
子ども(小学生) | 400円 | 300円 |
幼児(3歳以上) | 100円 | 50円 |
開館時間は:10時から18時までとなっています。最終入館は17時30分となります。
小田急電鉄で活躍した歴代ロマンスカーを展示
ロマンスカーミュージアムは、これまで小田急電鉄で活躍した歴代のロマンスカーを展示、及び保存がされています。現在では引退した車両にも出会えますので、小さき頃に乗った思い出など懐かしむこともできます。

小田急電鉄モハ1系
入館すると小田急電鉄(当時:小田原急行鉄道)が開業した際に初めて活躍した木製の通勤型車両モハ1系です。1927年(昭和2年)から1960年(昭和35年)に活躍した車両で、当時の車体色は阪急電鉄と同じ茶色で着色されています。

小田急電鉄LSE70000形(右)、NSE3100形(左)

小田急電鉄SE3000形
小田急最初の木製のモハ1系を見学したあとは、早速メインの会場となります。メインの会場では最初に、右型LSE70000形、NSE3100形、下SE3000形が出迎えてくれます。いずれの車両も現役を引退しています。
SE3000形は1957年に高性能特急車両として登場した列車です。同列車は狭軌(線路幅1435mm)の中では一番作速である145km/hと世界では最高速を達成した車両です。1992年まで活躍しました。
NSE3100形は、同社の特急列車の中では初めて運転席を2階に設け、前方に展望席を設けた車両です。現在の小田急ロマンスカーの先駆けとなる車両とも言えます。1963年から1999年まで活躍しました、。LSE70000形は、NSE3100形を引き継ぎ、前方のライトを車体に埋め込み、よりスピード感があり、洗練されたデザインで1980年に登場しました。2018年まで活躍しました。

小田急電鉄HiSE10000形
HiSE10000形の車両は1987年に登場し小田急電鉄の中でも主力の特急車両として活躍した車両です。床を高くすることで車窓からの風景をより多く楽しむことができるよう設計されています。2012年まで活躍しました。

小田急電鉄RSE20000形
RSE20000形列車です。当車両は静岡県の沼津駅と小田原市の国府津駅を結ぶJR東海の御殿場線への乗り入れ用として開発された車両です。新宿と御殿場線の松田駅を経由して沼津駅まで結ぶ特急あさぎり(現:ふじさん)として活躍し、1991年から2012年まで活躍しました。現在は運行区間が御殿場駅から新宿まで短縮され、車両はMSE60000形が活躍しています。

RSE20000形のグリーン車

グリーン車の2階部分

グリーン車の1階部分
RSE20000形列車はJRに乗り入れるため、グリーン車が設けられています。JR東日本の普通列車グリーン車のように2階建てとなっており、2階部分はグリーン車用の座席が3列、1階部分には個室となっておりテレビモニターなども設置されています。
小田急電鉄の歴史や複々線事業についても紹介
車両見学の後は、小田急電鉄の歴史や代々木上原駅から向ヶ丘遊園駅までの間で進めている複々線事業についての紹介が行われています。

小田急電鉄の歴史を年表形式で記載されています。普段なんとなく小田急線を利用していても過去の小田急について知らない人も多いかと思いますが、実はあの路線も昔は小田急だったという驚きの発見もあるでしょう。

また、複々線の事業については、下北沢駅を付近の地下化についてジオラマと合わせて紹介しています。下北沢駅周辺は小規模な商店が密集し、サブカルチャー的な街として知られていますが、今回の複々線工事を機会に小田急の線路が地下に移転したことで、再開発が進められ街の雰囲気も大きく変わろうとしています。
特に今回の複々線事業では、これまで朝の通勤時間など過密ダイヤによる所要時間の増大や混雑率が200%を超えていた状況となっていたほか、開かずの踏切問題などもありました。
小田急電鉄の沿線を再現した巨大ジオラマと体験!

最後の見どころとして、小田急電鉄の沿線を再現した巨大ジオラマを体験することができます。ジオラマは始発となる新宿駅から、小田原駅、箱根、江ノ島なども再現されており、非常に現実感があるジオラマとなっています。
見ていても楽しむことができますが、100円でジオラマ内の車両(GSE70000形と江ノ電500形)の運転を楽しむことができます。

新宿駅周辺

町田駅(手前)、相模大野駅(左奥)

江ノ島付近

小田原駅
お子様向けの企画も多数用意

ロマンスカーミュージアムは、お子様向けの企画も多数用意しています。見るだけではなく、体験する、遊ぶことができます。
小さいお子様向けには、木製で作られたロマンスカーの展望席と2階の運転席を模倣して遊ぶことができる他、ロマンスカーの形をしたアスレチックも用意しています。また、1回500円で工作室が利用でき、紙を持ちてロマンスカーを作ったり、お家を作ることができます。夏休みの自由研究や図画工作の宿題などとしても活用できそうです。
さらに、大きいお子様向けにはLSE70000形の運転席を活用したロマンスカー運転シミュレーターを1回500円で楽しむことができます。もちろん、子供だけではなく、大人でも利用することは可能です。こちらは当日の抽選制になっていますので利用したい場合は事前に申し込みを行うことをおすすめします。
その他、お土産屋で小田急ロマンスカーグッヅを多数販売している他、カフェも併設していますので昼食やお茶を楽しむことができます。カフェは入場券無しでも利用可能です。
小田急ロマンスカーミュージアムの詳細は以下の公式サイトをご覧ください。