中国株で大損、投資活動で顕在化した中国政治リスク

中国が世界に与える経済的な影響力は日に日に増しています。一昔前までは中国は著しい経済成長を遂げ中国が世界を牽引する時代もやってくると予想されており、世界の経済活動においても中国無しでは回らない状況となっています。しかしながら、2018年以降の米中関係の悪化に加え、新型コロナウイルス感染症拡大、中国不動産バブルの崩壊により、世界経済は中国依存によるリスクを改めて顕在化している状況になっていると言えます。

中国株で大損、事業会社の中国撤退も相次ぐ

私は、これまで株式投資を通じて世界各地に投資をしていますが、これまで10年以上投資活動をしてきた中では、中国株は最大の失敗となりました。

私の投資では米国株の割合が現状として大きいのですが、米国に依存してしまうことのリスクも考え、中国や欧州といった地域分散投資を進めていました。中国に限っては、米中関係の悪化は目に見えていましたが、技術力など向上で日本や欧州とも引けを取らない程成長する企業も増えているのも事実で、その恩恵に授かればと考えていました。

今後の中国企業の躍進などを期待し、新型コロナの感染症拡大を好機に株価が大きく下落した状況で中国株への投資金額を増やしましたが、結果として3銘柄投資で、1銘柄は横ばい、2銘柄は50%以上という大きな損失となりました。

後述しますが、大損の要因としてはどれも中国政府の影響力が大きく、中国のハイテク企業や民間教育企業への規制から始まり、中国恒大集団を始めとする不動産バブルの崩壊、新型コロナ感染症拡大防止による都市封鎖により、中国の個人消費の低迷などで世界の投資家が次々に中国株の売却が加速していることにあります。

事業会社においても、中国事業への撤退もしくは縮小する動きも相次いでおり、これまで拡大していた個人消費が縮小し外国企業の小売店の閉鎖なども相次いでいます。

2022年4~6月のGDPは前期より4ポイント低下、上海都市封鎖影響大きく

中国家統計局が2022年7月15日に好評した、2022年4~6月における物価の変動を調整した実質での国内総生産(GDP)の速報値は、前年同期比で0.4%の伸びにとどまり、2022年1~3月の4.8%増から4ポイント以上の低下となっています。

欧州や米国では早期にワクチン接種の動きが始まり、経済活動の回復に向けて本格的に始動している中、中国では政府による強力な感染者を一人も出さない「ゼロコロナ政策」を続けており、上海の都市封鎖などが大きく影響していることが伺えます。

上海市に限定すると、2022年4~6月の実質域内総生産(GDP)は、前年同期比で13.7%減少となっています。中国政府は2022年通年の成長率目標は5.5%前後に定めていますが、現状ではこの成長目標を達成するのは困難であるといえます。

また、投資家として気になることとして、世界と中国を結ぶ金融の中心地である香港において人材流出が続いていることです。2022年8月29日の日本経済新聞朝刊には英国の特別ビザの申請が約14万件あると報じており、2019年に大規模デモが行われ、中国政府による香港統制が厳しくなる中、香港を過去に統治していた英国へより多くの方が自由な経済活動を求めて出ていくことが見えています。

国際金融都市としての魅力が低下しているさなか、人材流出が続くとなれば、中国への投資資金の流出も更に増えることも予想されます。

投資活動により中国政府による政治リスクが潜在化

中国における政治リスクについて、当然投資する前から頭ではわかっていましたが、その影響度の大小というのは実際に資金を動かしてみないとわからないものです。

私は、過去に中国に住んだこともあり、一般的な日本人に比べて中国に関する知識は多少あると自称していますが、この知見を過信していたこともあったのも否定できませんが、中国で生活するのと、投資活動する、事業活動するのでは全く世界が違うものになり、生活上で得た知見が投資活動で生かされるのは殆どありません。

中国は、ご承知の通り中国共産党が支配しており、ここで決定した政策については迅速に進めなければなりません。上海の都市封鎖にしても、通常の民主主義国家であれば経済活動への影響を考えた対策が検討されるのが通常ではありますが、中国では当局が都市封鎖を行い一切外出は禁止するとした場合、個人や企業問わず問答無用で必ず従う必要が有るわけです。

中国政府の決定が企業の事業活動に大きく影響を与える事となり、これにより企業及び投資家の利益もしくは損失に直結します。今回50%以上の損失を出した投資というのはこれまでの経験にはありませんでしたが、中国投資へのリスク度の大きさが体感できる出来事でもありました。

中国に限った話ではありませんが、世の中は多くのリスクがありますが、実際に自分のお金で投資もしくは事業活動することで、自分では気づけていなかった問題や課題が明確化してくることにつながります。ここで得た知見をもとに次の投資や事業活動に活かしていきたいと考えています。