為替が円対米ドルで1ドル140円を突破!株価への影響と資産運用方針とは

為替レートが円対米ドルで2022年9月1日に1ドル140円を記録しました。これは1985年9月のプラザ合意前の水準であり急激な円安が進行していることが伺えます。一昔前までは為替が円安に推移すると日本経済にとってはプラスの影響があるとされていましたが、近年ではその声は聞かれなくなっています。今回は加速している円安が株価へどの様な影響を及ぼすのか、また、我々はどの様に資産を運用すべきなのか考えてみました。

為替が円対米ドルで1ドル140円に!

日本円対米ドルの為替推移。2022年9月2日時点で1ドル140円を突破

2022年9月1日に為替レートが円対米ドルで1ドル140円を記録しました。冒頭でも記載していますが、これは1985年9月のプラザ合意前の水準の円安であり、約30年ぶりに140円と円安が加速していることになります。

140円値を付けた後は、短期筋などによる利益確定などで一時的に138円台とやや円高に推移する場面もありましたが、その流れは長くは続かず、翌日の2022年9月2日も140円前後で推移しています。

何故、約30年ぶりに為替が円安に推移しているのかというと、ご承知の通り、米国のFRBが利上げを継続している事により、日本円と金利差が生じ、金利が高い米ドルを買う動きが加速していることにあります。一方で、日本の場合は国民の賃金上昇もままならない中、日銀の黒田総裁は利上げには非積極的で現状維持を継いており、円対米ドルで金利差は増々拡大しているのが現状です。

一方で、2022年8月中旬に、物価高などで米国民の生活が苦しくなる中で経済低迷なども懸念されていたことから、市場では利上げペースを緩めるのではないかとの憶測や、利下げに踏み切ることも折り込み、市場金利はやや下落し、株価も買われる動きが目立ちましたが、8月下旬にパウエル議長が利上げ継続を示唆したことで、これまで市場で織り込まれていた利下げ論は一気に吹き飛び、再び株価が売られる動きが加速し、為替においても円を売って米ドルを買う動きが加速し、現在のような状況になっているわけです。

円安は本来は日本経済にとって良い効果があるが、現状ではその効果も薄れている

一昔前までは、円安は日本経済にとって良い影響を及ぼしていました。日本はものづくりの国であるため、ものを作って世界へ輸出することから、為替が円安になればなるほど、企業の利益は増えていくことに繋がります。

例えば、1ドル100円のときに1万ドルの商品を輸出した場合、ここで得られる金額は日本円にして100万円となります。一方で、1ドル140円のときに1万ドルの商品を輸出すると、日本円にして140万円となり、40万円の為替差益が得られます。為替が円安になればなるほど日本円に換算すると、設けは増えていくことに繋がります。

そのため、為替推移は日本株と連動しており、円安になれば日本株も上昇していました。

しかしながら、2022年になった今、日本企業は海外へ生産拠点を設けることも増えたことで必ずしも円安が企業の利益に直結する機会も薄れていることにあります。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で世界からの人の行き来が大幅に減少する中、円安にとって世界から日本へ良好に行く方にとっては大変好機ではありますが、日本政府は現状として訪日外国人の受け入れには非積極的で、多くの観光客を呼び込むことは難しく、日本経済への恩恵も限定的なものとなっています。

米国株は暫く低水準で推移、日本株は底堅く推移か?

急激に推移する円安において、株価への影響も気になります。既に米ドルの金利が大きく上昇している状況でありますので、米国株については大きく売られている展開となっています。

金利が上昇すると、企業にとっては借り入れする際の金利が上昇することに繋がりますので資金調達を控えることになり、企業収益拡大への影響が懸念されることと、投資家にとっては、わざわざリスクが高い株を購入せずとも、金利が高い状況であれば債券もしくは米ドルを保有していれば、より多くの金利収入が得られるので株を購入する理由もなくなります。

一方で、日本株についてはコロナ禍でも比較的に日本企業の業績は底堅いことや、円安の恩恵は薄れつつあるとしても、近年の世界情勢など総合的に加味して、安全資産としての防衛という意味でも、大きく上昇することは期待できませんが、米国株に比べて底堅く推移することが予想されます。

日本人は円建て資産だけではなく地域分散投資も検討すべき

一方で、日本人にとっては為替が円安に推移しようがしまいが、その影響を受ける人は少ないのが現状です。むしろ、賃金が増えない中、食料品などあらゆる物が値上げする中、物価高による生活への影響も現れてきています。

物価高により生活への影響が出ている一番大きな要因として私が考えていることは、日本人の多くは円建ての資産しか持っていないということです。日本円の資産の殆どが日本円による預貯金であります。残りは日本株などになるでしょう。

インフレが進むと、日本円だけで持っていても額面上の金額は変動無くても、その価値は少しづつ下落することになります。食料品店などでの値上げを見ても分かる通り、100万円の貯金をしても、将来的にインフレが進み、100万円で購入できる商品やサービスは限定的になってしまうことが考えられます。

私は、日本円だけではなく、米ドルやユーロ、香港ドル、人民元などを常に保有をしています。私の場合は海外からソフトウェアなどの購入や更新費用の支払い、株式の売買、外貨での配当金の受領など外貨を取引に使う機会が多いという理由もありますが、日本円の価値が下がった場合、外貨で防衛することもできます。今回はたまたまではありますが、数千万円外貨及び外貨建て資産を保有し円安効果で数百万円の為替差益が出ており、これまでの経験では過去最高益を記録しています。

勿論、短期的に円安が進んでいるので今米ドルを買ったほうが良いと推奨しているわけではなく、資金運用を行うに当たり、地域を分散することが重要であるとい考えているわけです。多くの方は米ドル等、外貨を持っていても使う機会が無いという方も多いかと思いますが、通貨を直接保有する以外にも、世界株や世界を対象に投資する投資信託で運用する方法もあります。また、貯金と同じ様に投資信託を積み立てで運用することもできます。これらの運用商品を上手く組み合わせていくことが重要であると考えています。