企業間の契約時は契約書の記載内容は熟読必須、互いが納得及び理解するまで修正すべき

企業経営の仕事を始めるに当たり、企業間で契約を取り交わす機会が増えています。また、契約金額もある程度額がある契約内容も多いため、自社に不利益な契約内容になっていないかしっかりと確認することも重要になります。今回は契約時における重要事項について改めて振り返って見ましたので当ブログでお伝えします。
口頭のみの契約は厳禁、必ず契約書で文書化すべき
企業経営の仕事を行う場合、企業間で契約を締結するという仕事は重大な任務となります。また、金額もある程度の額がする契約も多いため、単純に捺印をするという作業では完結するものではありません。
私は、契約する場合は必ず契約書を取り交わす様にしています。「こんな事当たり前では無いか!」と思われる方が大半ではあるかと思いますが、意外とこれが出来ていない人が多いのも事実です。
特に多いのが、相手が個人事業主だったりフリーランスで活動している方など、口頭のみで仕事を請け負っているという方も多く、契約書を取り交わしたことが無いという方も少なからずおられました。また、私も過去にフリーランスの方に相談を受けた場合、相手は口頭でとある商品の販促活動の相談があり、その際、契約書の取り交わしも無く、単純に相談であるという認識ではありましたが、具体的な指示も行っていないのにも関わらず、相手は既に私にお願いしているのもと認識されており対応に困った記憶があります。(私自身その話には乗り気でなかったのでほぼ放置気味であったのもありますが。)
契約書では、契約内容についてお互い理解に齟齬を防ぎ、問題に発展しないための約束事となりますので、金額の大小を問わず、しっかりと文書化して置くことが重要です。
契約書の内容を熟読し、互いが納得するまで内容修正必須

契約書については、単純に文書として作成して捺印すれば良いというものではありません。文書に記載されている内容を熟読し理解した上で、納得の上、捺印すべきです。
契約という作業は、単純に契約書を取り交わし捺印するという事務作業ではなく、ここに記載されている内容についてしっかりと吟味し、お互いの利益につながるように調整するという仕事になります。そのため、契約書を取り交わしても、記載内容によっては自社に不利になる状況になっていることもあり得るわけです。
私は、過去にある程度規模がある会社にて商品企画開発の仕事をしていたことがありますが、その際他社と共同で開発するということも多く、その場合の契約についても行っていました。当時は、その会社には法務部があったので、法務部と連携しながら契約について議論を行っていましたが、自社に不利になる内容な将来的に不利に繋がりそうな内容については、相手方の企業と連携し話し合い、契約書の内容を何度も修正して契約を行っていました。
こういうことをすると契約の締結し終わるまで1ヶ月から3ヶ月ぐらい要することも多くありました。大企業の場合はある程度時間を要することは一般的ですが、中小企業やスタートアップ企業では流石に数ヶ月も契約に要するのは生産性を考えてもよろしくありません。しかしながら、契約書の記載内容については1回の記載内容でお互いにとって優位となる内容であるかというとそういうことは少ないと思います。
長期間時間をかけなくても良いですが、1週間ぐらいの期間を設け、契約書に記載されている内容は、理解不能な点は質問する、納得が行かない点については相手に遠慮すること無く問いて、契約書の内容を修正することが重要です。
不要になった契約はすぐに契約解除などをすべき
また、契約後の管理についても重要です。契約は締結後永久的にその契約が続くというのはあり得ないと思います。そのため、定期的に契約内容を見直し、不要になった契約は終了するなどの対応も重要になります。
不要な契約を放置していると、金銭的な流出が続くなど企業収益に何かしら影響を及ぼすことにも繋がりますし、後々見直した際に、管理が煩雑となり、有効な契約であるか無効となっている契約であるのかわからなくなってしまうことにも繋がります。
企業間契約でなくても、何かしらのサービスを利用する場合は契約事項の理解は必須

企業間契約でなくても、消費者向けに何かしらのサービスを利用する場合や、企業との雇用契約についても契約事項の理解及び納得は必須です。
近年では新聞などのように毎月定期的に料金を支払ってサービスを利用する定期購買(サブスクリプション)サービスが増えていますが、これの問題も増えています。お試しで利用してみたが、後日請求がなされていたという事例も多くあります。そのため、これらのサービスを利用する場合は月額の料金やお試しできるといった表面上の情報だけではなく、お試し期間後は自動で契約締結になるのかどうかといった、細かい部分もしっかりと確認する必要があります。
また、インターネットサービスでよく登録する際に「利用規約」の一読を要求されることは多いですが、これも多くの方は読んでいないと推測されますが、しっかりと一読することは重要です。私も過去しっかり読んでなくて、後日問題が発生した際に、利用規約にその旨明記されていることが判明した経験があります。
さらに、近年転職も増えていますが雇用契約もしっかりと熟読し理解および納得することは重要です。転職後後悔した方の数は8割ほど居ると日経新聞に出ていた記憶がありますが、私も過去会社員間で3回ほど転職したことがありますが、契約条件で後日納得いかない内容が判明したという経験もありました。
単純に毎月の給与額だけでは無く、転勤の有無やその際の手当がどれぐらい出るのか、通勤手当は最高いくらまで出るのかなど、上げると数は多いですがご自身の生活状況と合わせて企業が提示した雇用契約の契約条件が良いのか悪いのかをしっかりと判断して入社有無を決定することが重要です。
私も過去、単純に前職に比べて年収があがるという表面的な内容しか見ておらず、じっくりと吟味出来ていませんでした。その内容については細かいことは控えますが、会社都合である状況でも自己負担すべき事項が多く、結果として私自身の資金流出につながるという状況になったという内容です。今はその会社は退職していますが、雇用契約についても会社の提示された内容をそのまま受けるのではなく、納得が行くまで話し合うという姿勢も大事になってきそうです。