越境EC(海外向けインターネット通販)事業の実証実験を開始。

2022年10月より新規事業の創出として越境EC(海外向けインターネット通販)を開始しました。為替が米FRBの利上げ継続による金利差により対米ドルで円安に推移する中、海外から日本の物がお得に購入できる好機であり、国内の事業者においても海外市場での事業展開の好機であることから、次の事業の柱を目指し弊社でも実証実験を開始しました。
米eBayの販売基盤を使い越境EC事業の実証実験を開始

今回、海外向けインターネット通販である越境ECの実証実験を米国の通販大手サイトeBayの販売システムを使用して開始しました。
これまで事業の柱であったインターネット広告事業の業績が低迷している中で、次なる収益の柱とすべく通販事業に乗り出すことにしました。もともとインターネット通販事業については、興味を持っており実際に国内向けに規模を小さくして展開していたこともありましたが、見事に在庫を抱えたまま撤退した過去があり、事業展開には慎重になっていました。
この様な状況の中、当サイトでも為替については何度も触れていますが、対米ドルで円安に推移していることから、高品質な日本の物を外国からお得に購入できる好機であります。また、これまで海外向けの事業についても検討している最中、インターネットを利用することで日本国内からでも直接海外市場に対してサービスを提供することができるなど、海外事業も容易になっているのも事実です。
国内より市場が大きい、海外に販売することでより多くの収益基盤の構築を目指していきたいと考えています。
競合が少なく、手頃な価格の商品且つ発送負担が少ない電話カードを販売
海外向けインターネット事業を展開するとなると、販売する商品を何にするかが重要になってきます。ゲームソフトやカメラ、時計、トレーディングカード、フィギアなどは海外でも人気が高く、販売しやすい商材でありますが、eBayの日本からの利用者は3%程度と全体でみれば競合は少ないですが、既に同業者はそれなりに居ることから、あえて競合が扱っていない商品を扱うことにしました。
また、販売を始める段階であれば、高額な商品は、売れれば大きな収入にはなりますが、在庫を抱えるリスクがあることや、発送中の事故、返品時のリスク(返品時は返送時の運送料も請求されることもある)など、ややハイリスク・ハイリターンであること、物によって、発送時の梱包箱の大きさや重量が毎回変動するなど発送時の負担を考えると、手頃な価格の商品且つ、どの商品でも同じ大きさ及び重量で発送できるものに絞り込みました。
そこで考えた結果、コロナ後訪日外国人の増加で需要が期待できると思われる、スマートフォンの電話(SIM)カードを扱うことにしました。高額な商品では無いため、高収入は期待できませんが、現状競合が少なく、日本円で数千円で提供できる他、封筒があれば、すぐに発送できる点と、個人的に知見がある商品であることが決定要因としてあります。
送料無料で提供するも、利益率低く送料だけで赤字の状況に

販売を開始してみると、アカウントを開設した時点では、これまでの販売実績が無いことと、eBayはアカウント開設時点では販売数に制限が設けられているため、多くの商品は扱うことはできず、販売してからたくさん注文が来るような状況になるのはまだ先の話になります。
今回の実証実験を開始してみて、売れ行きは少ないですが幾つか注文がありました。まだまだ分析するまでの販売データは揃っていませんが、外国人の注文の他、海外在住の日本人からの注文など、あらゆる国や地域からの注文が入っています。
注文が入った後は、海外に発送しなければなりません。当方もインターネット通販を利用している場合、送料については気にしますが、普段使っているヨドバシカメラのインターネット通販は送料無料であることなど、主要な通販サイトが送料無料で提供していることを考えると、仕入れ価格に送料と利益を上乗せて販売することで、送料無料で提供をすることにしています。
しかしながら、海外への発送は国内へ発送するのとは事情が異なります。国内と比べて送料が高く、下手したら商品価格以上の送料負担が必要になってしまう場合もあります。そこで考えた結果、日本郵便の国際郵便サービスである「国際eパケット」を利用することです。欧州であれば100g以下であれば700円台、北米であれば1,000円台で発送できまることに加え、航空便で欧州であれば10日程度で到着します。
国際eパケットの料金を加味した上で商品価格の設定をしていますが、注意点としては日本郵便の国際郵便は運送状況などに応じて利用できるサービスが不定期に変更となることです。米国から注文が入った際に、2022年10月時点で米国への国際eパケットを利用した発送ができない状況でありますが、私の確認不足で利用できないことを知らず、海外輸送の標準的なサービスであるEMSを使わざる得ない状況となりました。
現状として、利益率が少ない商品であることに加え、米国向けにEMSを利用したことで現状赤字となっています。国際eパケット対応できない国についての扱いについてはどうするかは検討中でありますが、しばらく送料無料で提供し、注文元の国などを総合的に分析しながら利益が取れるのか検証します。また、国際eパケットの再開などの動きがないのであれば、一部送料を負担してもらうことも考えなくてはなりません。
また、将来的にはヤマト運輸やFedex、DHLといった民間の運送会社と契約するなどの方法も合わせて模索する必要がありそうです。